アンティキティラの歯車

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1902年、考古学者スパイリドン・スタイスが、ギリシャのアンティキティラ島沖合、水深約40mの海底に沈んでいた難破船から目盛りと文字が刻まれた青銅製の歯車4個を発見した。大きさは一番大きな歯車で直径12.7cm。一部に古代ギリシャ文字で暦に関する記述や星座名が刻まれている。同じ場所から見つかった他の遺物から、紀元前82年頃の古代ギリシャ文明に造られた歯車である事が判明し、その後、アテネ国立考古学博物館に保存された。

1973年、ケンブリッジ大学で科学史を研究するデレク・ディソラ・プライス博士が、X線で歯車の内部構造を調査した。その結果、幾重にも重なった32枚の歯車を内部に発見した。その発見は、古代ギリシャ文明の技術では数枚の歯車を使った程度の初歩的なものしか存在しないという、それまでの推測を打ち破ることになったのだ。

それだけでなく、1575年にドイツで造られた天文時計で初めて使用されたとされる差動歯車機構という技術も使われていたという。その技術とは、回転の組み合わせによって回転数や回転速度を変えられる仕組みだが、プライス博士がその回転比を解析した結果、天動説における「地球を中心とした太陽と月の公転比」である「19:235」とピタリと一致したのだ。

それは、古代ギリシャ文明の天文学者が「太陽が地球の周りを19周する時に、月は地球の周りを235周する」事を知っていたということであり、表面に刻まれていた星座名や暦に関する記述で、この歯車の正体は「自動的に日付を合わせて太陽や月の位置を計測する天球儀」だったのではないかと考えられた。

実際に月の軌道を計算したところ、誤差はわずか100分の1度しかなかったという。また、この歯車には500年前に発見されたばかりの惑星も示されていた。地球に訪れた異星人が、古代の人々に天文学の知識を授けたのか?

【つづき】

アンティキティラの歯車は、正真正銘「本物のオーパーツ」である。もちろん、異星人が知識を授けたというものではないが…

紀元前一世紀の難破船から発見されたという話に嘘はなく、その時代に製作された機械である事も疑いない。さらに、この機械は天体の動きを実際に再現できる。 ダイヤルを回すと太陽や惑星などのシンボルが、その相対的位置関係を崩す事なく動いていく。古代ギリシアのヘレニズム文化が生んだすばらしい科学の産物なのだ。
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